ITパスポート試験受験記

合格が難しいわけではないのだが得点が発表され、高得点するのは割と大変である試験なので受験までの勉強と受験の感想を記すことにする。

 

ITパスポート試験はストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の問題からなる合計100問、試験時間120分のCBTである。試験は随時申し込みができ、会場に空きがあるときに日時を選んで受験が可能である。

 

どの分野も広く浅くなのだが、紙とペン(会場にあるものを使用する)が必要な計算問題や図を書いて解く問題がいくつか出題される。ストラテジ系とマネジメント系は進捗の度合いや財務などに関する具体的な計算問題が出題される。といっても必要な数学的知識はせいぜい中学校でやる連立方程式を解くくらいのレベルである。問題としてはそういった式を自分で適切に立てて解けるかが問われる。

 

テクノロジ系では処理の手順を地道に逐一追わないと解答できない問題が出題される。難易度的には基本情報技術者の午前試験と同等程度かやや易しめくらいである。手早く解いて5分以上かかるような問題は少ない。

 

その他は主に知識を問う問題と基礎的な理解を問う文章題である。ある程度は国語の問題といえるようなものも存在する。要求される知識レベルは浅く知っていればよいものが多いが、その範囲は大変広くかつ内容は相当新しいものも含まれる。ITエンジニアでも対策をしないで高得点が取れるひとは少ないと思われる。高得点には広い知見が要求される。

 

ITに直接関係なさそうなことまでが出題範囲なので、範囲をすべて網羅というのは現実的でないほどだが、シラバスに沿った学習で効率的に得点が可能である。

 

私は基本情報技術者試験に合格後、書店で980円(税別)のITパスポート試験の対策本を1冊買って仕上げた。受験料やテキストが比較的安いのは受験がしやすい点である。

 

基本情報技術者に合格していればそれ以上深く勉強することはこの試験に限ればないのだが、相当広い範囲からの出題なので、技術分野以外にマネジメント、ストラテジに関する学習を重点的に行った。勉強期間は約2週間である。参考書の厚みや内容的にも一週間あれば通読することは十分可能である。

 

勉強は合間時間に本を読んで問題を解く程度で、そんなにがっつりやったわけではないが、全くの初学でITに明るくない方ならそれなりに骨が折れるはずである。実際のところそんなに勉強なしで取れるほどは簡単ではない。

 

合格は税別980円のテキストだけで十分可能である。問題集もあるようだが、特に別途必要とは感じなかった。

 

過去問は模擬試験形式で公開されているので、受験前に何回分かはやっておくことをおすすめする。

 

試験当日は、定刻前に試験センターへ行き、受付で確認票と身分証明書を提示し(くれぐれも持参を忘れないよう注意されたい)、ロッカーに荷物一切をしまって試験室へ入室する。試験は入室してから確認票に記載の試験時間となり次第、開始することができる。入室後は試験問題を解く以外にできることがないので、事前にお手洗いなどを済ませて飲み物も飲んでから入室する。

 

100問解き終えて試験終了ボタンを押すと自動的に採点が開始され、その場で即座に点数を確認することができる。100問って結構ありますね、途中でうんざりしてきます。試験中は集中力を切らさないことも鍵となってくる。

 

あとは帰宅してしばらくするとメールが届き、そのリンクから試験結果の閲覧とダウンロードが可能である。申込時のパスワードは忘れないようにしよう。

 

安上がりで受験しやすく、国家試験は国家試験である。ITを利活用するすべてのひとが対象なので、誰でも興味があれば受験してみるとよいと思う。なかなか良い勉強にはなったと感じる。