Cisco Business 250 スマートスイッチを導入してみた

CBS250-8T-E-2G 8-Port Gigabit Smart Switchの新品が1万円程で売られていたので導入してみました。ネットワーク機器(スイッチ)ですが分類上はL3スイッチになると思います。 スマートスイッチということで、PCとUTPケーブルでつないでHTTP/HTTPSWebブラウザからグラフィカルに設定を行うことができます。コンソールポートがあるのでロールオーバーケーブルでつなげばCUIで設定もできますが、使えないコマンドも結構あります。

show run, show ip int, show cdp neighbors, show env all, reload などは使用可能です。

Webブラウザから詳細に設定できるのでコンソールはあまり必要ないですが、うっかりDHCPサーバに接続すると管理IPアドレスが自動で割り振られてしまうのでこの場合はコンソールで接続して show ip int を打つとわかります。

なにも設定しなくてもスイッチとして使えるのですが、さすがにそれでは面白くないのでいろいろ触ってみました。

ファームウェアの更新もPCからHTTP/HTTPS経由でできます。最初にやっておくと良いと思います。ファームウェアのバックアップも取れます。

システム時刻はインターネット接続があればWeb上のサーバからSNTPで自動的に取得します。サーバのアドレスはあらかじめ設定されてありますが変更もできます。代替ソースとしてPCからHTTP/HTTPSで取得することもできるようです。

ジャンボフレームはデフォルトで無効です。有効にした場合はリブートが必要です

STP, RSTPに対応しています。

SNMPにももちろん対応しています。

ACLMACベース、IPベースでそれぞれ設定できます。

CDPに加えLLDPに対応しています。試しに接続した892でshow cdp neighborsを打ってみるとちゃんと見え、CapabilityはR S IでしたのでこれからもL3スイッチであることがわかります。もちろん、CBS250から892もCDPネイバーとして見えます。

UTPケーブルを診断するカッパーテストというものがあります。正常性の診断に加え、おおまかなケーブル長の検出もできますがあまり正確ではありません。

IGMPスヌーピング、MLDスヌーピングを有効にできます。デフォルトで無効です。

DoS攻撃の防御機能がありますがデフォルトで無効になっています。また、SYN保護機能もあります。

認証は802.1Xに対応しています。

QoSはキューのスケジューリング方式として完全優先とWRR(重み付けラウンドロビン)を選べます。8つのハードウェアキューを搭載しています。信頼モードはデフォルトでDSCPになっています。CoS/DSCPにするとTCAM使用率が高くなりました。TCP輻輳回避機能もあります。

 

他にもまだ触れていない機能がたくさんあり、これらがWebブラウザからGUIで設定できるのでネットワークの基礎を実際に学ぶのにも悪くないのかなとも思います。コンソールからCUIでというよりは直感的に操作しやすい部分はありますしコマンドを覚える必要もほとんどありません。

スイッチとしての性能は大変優秀だと思います。高速でのフォワーディング時もCPU使用率は低く、システム温度も低いです。しかもファンレスです。

実用的に優れているのはもちろんです。全くの初心者だとかなりいろいろと調べる必要はありますがスイッチを実際に動かしてみて勉強するのにも使えそうです。基本情報技術者応用情報技術者の参考書ではスイッチがどういうものかおおまかに書かれている程度で割と単純な機器に見えますが、設定してみると実際は複雑な機器であることがわかると思います。

L2のプロトコルとしてはCDPはCisco独自のものですが、LLDPは標準化されたプロトコルです。