安定化回路(OPアンプ変更と再評価)

以前の記事の安定化回路の変更と、出力電圧安定度、雑音特性の再評価です。

 

回路は以下の通りです。LM358NをNJM4580DDに変更しました。

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NJM4580DD使用 直列型安定化回路

今回は正確に出力波形を測定するためにプローブのフックチップおよびグラウンドリードを取り外してコネクタに直接プロービングしました。

 

LM358Nは単電源動作のOPアンプですが、この回路ではツェナーダイオードで電圧をシフトしているため、両電源動作のNJM4580DDでそのまま置き換えることができます。

OPアンプとしてはLM358NよりNJM4580DDのほうが利得やスルーレートなどの数値の点では有利です。発振したりせず思い通りに動作すればひとまず成功です。

 

以下、測定した出力波形です。

 

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無負荷 (1.0 ms/div)

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無負荷 (10 μs/div)

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無負荷 (100 ns/div)

 

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20 Ω負荷 (1.0 ms/div)

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20 Ω負荷 (10 μs/div)

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20 Ω負荷 (100 ns/div)

 

無負荷(出力開放)時も20 Ω負荷接続時も発振することなく安定して動作することを確認しました。

また、雑音も非常に小さく正確な測定が困難な程度でした。

出力電圧の安定度(ラインレギュレーションおよびロードレギュレーション)も正確な測定が不可能な程度に良好でした。OPアンプの非常に大きなDC利得が利いていると思われます。

 

NJM4580DDの安定性にも助けられて、出力の電圧安定度および雑音特性は非常に優秀な結果になりました。

 

LM358Nとの比較も行いたかったところですが、ICソケットを用いず直接はんだ付けしたことと、測定の精度が十分に確保できないので行いません。

 

安定化回路はこれでいったん完成です。シンプルな回路ですがなかなか優秀です。

OPアンプは当然さらに他のものを使うこともできるはずですが、ひとまずこの回路で安定動作を確認できたものはLM358NとNJM4580DDの2種類となります。