OPアンプによるヘッドフォンドライバ

OPアンプをボルテージフォロワで用いたヘッドフォンドライバを設計・製作しました。ボリュームの調整は接続音源側で行うユニティゲイン仕様としました。

 

OPアンプはボルテージフォロワで使用できて出力電流が大きめのものとして、今回はNJM4580DDを使用しました。コンデンサはオーディオ用電解コンデンサとフィルムコンデンサ、抵抗はすべて金属皮膜抵抗です。回路は155mm×115mmのやや大きなユニバーサル基板に実装しました。

 

4 kHz, 振幅2 Vの正弦波を入力したときの出力電圧および出力電流のLTspiceでのシミュレーション結果です。負荷は37 Ωの純抵抗です。

入力電圧, 出力電圧, 出力電流

出力電圧を周波数軸でみると

出力電圧

入力電圧波形と出力電圧波形はほぼ重なっています。出力電流は最大で50 mA超ですが見たところ歪みのないかなり綺麗な正弦波です。

 

以下、回路図です。

回路図

NJM4580DDは、1/2 Vccバッファ用に1個、左右チャンネルにそれぞれ1個ずつの計3個を使用しています。保安として500 mAのポリスイッチを電源部に用いています。

 

実際にウォークマンを接続してヘッドフォンを鳴らして聴いてみましたが、音質はソリッドでクリアな印象です。実際は十分な音量を得るのに入力電圧は2 Vも必要ないのでドライブ能力は十分です。

 

回路自体はローノイズですが、入力インピーダンスが高めなので入力のわずかなノイズを拾います。入力インピーダンスはもう少し下げても(R3, R4の値を多少小さくする)よいです。

 

OPアンプは他のものに交換してもよいかもしれませんが、訳も分からず変更するのは非推奨です。

 

電圧利得を十数dB程度にしてボリュームをつけると音量調節のできるヘッドフォンアンプになります。本機のような金属皮膜抵抗を用いたユニティゲインだとギャングエラーが発生しないという利点はあります。