GeForceとQuadroの同時使用について

NVIDIAGeForceQuadroの同時使用が可能だったので、うまくいった手順を示します。試される場合は自己責任でお願いします。

環境

M/B:H270-PRO

OS:Windows 10 Home(2020 7/6時点最新)

GeForce GTX 1660 Ti

Quadro K2000

以下、2枚差しの手順です。

1. GeForceのみを差し、GeForceの最新版ドライバをインストール

2. Quadroを追加で差して2枚構成でPCを起動

3. Quadroの最新版ODEドライバをインストール、PC再起動

4. GeForceの最新版ドライバを再インストール、PC再起動

5. NVIDIAコントロールパネルで両方が有効になっていることを確認

6. NVIDIAコントロールパネルで必要に応じて設定を行う

以上です。これでGeForceQuadro両方が認識され使える状態になります。

ディスプレイはずっとGeForceにつなぎっぱなしでOKです。6. まで完了したらQuadroのほうにディスプレイを接続してかまいません。問題なく映ります。

使うかどうかは別にしてこの構成で最大6画面まで使えます。

PhysXQuadroに割り振ると遅いのでGeForceかCPUに振ったほうがいいと思います。

 

Quadro K2000はCUDAが使えるので、コンピューティングにも使用できます。性能は単精度浮動小数点演算で800GFLOPSに届かない程度です。GeForce GTX 1660 Tiが4.6~5.4TFOPSくらい出て(半精度はそのおよそ倍)しかも整数演算と浮動小数点演算の同時実行が可能なので、世代的にもQuadro K2000はかなり見劣りしますが、なんといっても1スロット仕様で補助電源不要というお手軽さがあります。

GeForce GTX 1660 TiでGPUGRIDを実行しつつ、Quadro K2000でFolding@homeを実行するということに成功しています。

Quadro K2000はGPU-Zで見てみると、OpenCL, CUDA, DirectCompute, DirectML対応で、Vulkan, OpenGL 4.6といったAPIにも対応します。DirectXは12(Feature level:11)です。GPU Load 100%でも温度やファン回転数は低く、これもGeForceとの方向性の違いなのかもしれません。

あくまでうまくいった一例にすぎませんが、GeForceQuadroがあるもののPCは一台しか用意できないという場合に両者を活用することもできるということです。CUDAで単精度コンピューティングをするにもGeForceのほうが格安でパフォーマンスもかなり高いですが、Quadroの信頼性も捨てがたいと思われ、また、遊ばせておくとか処分するのももったいないですので、有効活用の一例として紹介します。Quadroの10-bitカラーはもちろん対応のディスプレイであれば活用することができますし、Quadro対応アプリケーションで利用することも可能だと思います。

GeForceのドライバとQuadroのドライバが競合するのが怖かったですが、今回そんなこともなくうまくいきました。